背中痛と内科系疾患
ほとんどの背中痛というものは筋肉の緊張や血行の不良にともなう筋肉疲労によって引き起こされるものです。
しかし、首、肩、腰などとは違い、背中というのは普段意識しないものであり、背中痛があると筋肉ではなく、なにか重い病気にかかったのではないかと不安を感じる方は少なくありません。
実際のところ、背中痛は内科系疾患によって引き起こされることもあります。
傾向として、心臓などの循環器系疾患、肺などの呼吸器系疾患などで背中痛が引き起こされることが多いようです。
具体的には、胸の上の方から背中に向かって伸びて腹部へ下っていく大動脈が背中側で裂けたことによって生じる解離性大動脈瘤、胸に痛みが広がることが多いものの背中に痛みが広がることも少なくない狭心症や心筋梗塞、心臓の裏側に位置する食道の炎症によって引き起こされる逆流性食道炎などが挙げられます。
これらの内科系疾患はどれも強烈な激痛をともなうのが特徴です。
背中痛が内科系疾患によるものかどうかの判断
背中痛が筋肉疲労によるものなのか、内科系疾患によるものなのかどうかは症状からある程度判断することができます。
筋肉疲労による背中痛は筋肉から生じている痛みであり、体を動かすと痛みが増したり、痛みが減ったりするのが特徴です。
また、背中痛が生じている部位を押すことによって痛みが増したり、痛みが減ったりするようであれば原因は筋肉疲労の可能性が高いと言えます。
その他、マッサージ、ストレッチ、入浴などが効果的なのも筋肉疲労による背中痛の特徴として挙げられます。貼り薬や塗り薬が効くような場合も同様です。
これに対して、内科系疾患による背中痛は内臓から生じているので、姿勢を変化させたところで症状には変化はありません。自宅でできるような対策を施したところで改善効果はないので、治療のためには内科などの診察を受ける必要があります。
背中痛で救急車を呼ぶかどうかの判断
背中痛が発生している場合、まずは体を動かしてみたり、痛みが生じている部位を押したりしてみて、症状に変化があるかどうかを確認してみましょう。上述したような筋肉疲労を原因とする背中痛の特徴が見られる場合、急ぎ慌てて救急車を呼ぶ必要はありません。楽な姿勢を取ってしばらく安静にしていれば痛みが引いていくことも多いです。